学習障害は4人に1人もいる!?個性を伸ばす勉強方法とは?

突然ですが、日本の人口に読み書きが苦手な子はどのくらいいると思いますか。

文部科学省が調査で行なった、「通常の学級に在籍する発達障害の 可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」では、「読む」又は「書く」に著しい困難を示すとされた割合が2.4%もいます。

通常の小中学校で義務教育を受けて いる児童生徒数は 2016 年5月1日現在で約 990 万人であるため、「読む」又は「書く」に著しい 困難を示す児童生徒は通常の小中学校に約 24 万人が在籍していると言える。

引用:読み書きに困難のある児童に対するデジタル教材におけるハイライト機能の効果について PDF

読み書きに困難が生じている子どもが、24万人もいるというのです。4人に1人という割合ですから、身近にも「読み」・「書き」が苦手な子がいる可能性があります。

読み書きができないと、学校での授業についていけず、受験や資格をとるなど、困難を生じてしまいます。

しかし、子どもの発達特性を知る事で、いつもの授業や周りのレベルについていく事も可能かもしれません。

そこで今回は、読み・書きに問題を抱えてしまう「学習障害」についてと、具体的な解決方法を紹介していきたいと思います。

 

学習障害とは?

学習障害(Learning Disability:LD)とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じる発達障害のことです。

引用:LITALICO 学習障害とは

学習障害とは、知的な発達の遅れはないが、ある特定の能力が難しくなる発達障害です。

学習障害のタイプ
  • 読字障害(ディスレクシア)
  • 書字障害(ディスグラフィア)
  • 算数障害(ディスカリキュリア)

文字を読めなかったり、極端に読むのが遅く、読み間違えてしまう事がある読字障害、文字を書いたり、綴ったりする事に困難を生じる書字障害、計算や推論をする事に困難を生じる算数障害というように、学習障害は3つの分類があります。

2013年に改定された米国精神医学会の診断基準(DSM-5)というものがあり、その中で限局性学習障害の分類の読字に限定した用語の中でdyslexia(ディスレクシア)と言っても良いことになりました。

読字に問題があると、書字にも障害が出てしまいます。そのため、発達性読み書き障害と呼ばれることもあります。

 

どういうことに支障をきたすものなの?

読み書き障害の原因として、音韻を処理することの難しさがあり、書かれている文字とその読み(音)の対応が難しいことが挙げられます。

つまり、文字を読めない訳ではなく、読むのが遅かったり、読み間違えてしまうことが多い状態なのです。そこに生きづらさが生じてしまうのが学習障害なのです。

例えば、一つの短文を読むとした時、1文字読むだけでも時間がかかってしまい、その中でも間違えて読んでしまうような状況が続くとどうでしょうか。

学習がなかなか進みませんし、周囲の人と比べて学ぶスピードも落ちてしまうため、読むことに対しての抵抗を感じてしまい、学業不振などに陥りやすく、二次的に心の病気や不登校などの状態などになってしまうこともあります。

音韻とは

音とひびき。また、その調和。音色(ねいろ)のこと。

例えば、日本語の「デンキ」「デンパ」の「ン」は音声として違うが、同じ音韻だと認められます。

 

学習障害があったら、勉強できないってこと?

このように、読み書きや計算などに支障が出てしまう学習障害ですが、ある方法を使うことで、解決することも可能です。

それは私たちが日常的に使っている「スマートフォン・タブレット」などの情報端末を使うことで、学習を進ませることもできるのです。

子どもの苦手な部分を親が知ること

学習障害といえど、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」といった様々な能力があるため、子どもがどんな暴力が苦手なのかを知る必要がありそうです。

小学生の場合は、先生からの様子を聞いたり、宿題など学校以外での課題を確認してみるなど、子どもに興味を持つことが大切です。

読むのが苦手なら、スマホのあの機能を使おう

国語の音読が苦手で、なかなか読めなかったり、読めても内容を理解するのに時間がかかるのであれば、読むことを他のツールで代用するとうまくいくかもしれません。

例えばiPhoneのアクセシビリティという機能のひとつに、画面の内容を読み上げる「画面の読み上げ」、選択したテキストだけを読み上げる「選択項目の読み上げ」という機能が標準でついています。

簡単ステップ
  1. 「設定」→「一般」
  2. 「アクセシビリティ」→「スピーチ」
  3. 各設定項目を開く

引用:iPhone Mania iPhoneの画面に表示された内容を音声で読み上げる方法

読み上げ機能を使うことで、メッセージを使ってコミュニケーションをとることも可能です。わからない言葉でも、スマートフォン上であれば調べることも可能ですし、読み上げ機能で理解も深まります。

身近なあるテクノロジーで、子どものつまづきを解決できる可能性を秘めています。

音声教材を使う

発達障害等により、通常の検定教科書では一般的に使用される文字や図形等を認識することが困難な児童生徒に向けた教材で、パソコンやタブレット等の端末を活用して学習する教材です。

引用:文部科学省 音声教材とは?

文部科学省での取り組みとして、音声教材というものもあります。これは、発達障害などを持った人が、通常のツールだと学習が進まないケースなどに、ボランティア団体などが制作しているものです。

音声教材を読み書きが困難な自動に無性提供しているため、このような取り組みを使い、通常の教室にいながら、子どもに合わせた教材を使って学習することも可能なのです。

音声教材の取り組みの一つに、茨城大学で行なっている音声付教科書というものがあります。

これは、青いペンを教科書の文章のところにタッチすると、そこに書いてある文章を読み上げてくれるといったものになります。

仕組みとして、教科書の表面素材が特殊で、文字部分だけグレーになっており、それをペンが認識して読み上げるといったものになります。

引用:茨城大学 ペンでタッチすると読める音声付教科書

 

うちの子どもは何か変だなって思ったら

10歳になる息子ですが、記憶することがとても苦手です。特に国語。宿題は毎日やりますが、昨日覚えた漢字は今日既に忘れている状態です。なので文章を書くのも、とても苦手で小学1年生と変わらないレベルです。明日の漢字10問テストは、前日何度も練習し、当日の朝もう一度復習し、それでも何問か書けないのです。先日ふとカタカナを書かせたら20文字くらい書けなくて唖然としました

引用:Yahoo!知恵袋 学習障害でしょうか?

ここまで学習障害についての特徴や、解決法を紹介していきましたが、子どもは一生懸命頑張っているのになかなか成果がでなかったり、できないことが続いていてどうしていいのかわからないと悩む場合もあると思います。

その場合は、医療機関に相談に行くことが必要です。

医療機関を受診するメリット
  • 診断がつくことで、子どもも親も安心できる
  • 専門家が介入することで、子どもに必要な教育を受けさせることができる

病気ではないのに医療機関を受診することに抵抗を感じる人もいるかと思います。しかし、子どもの成長のためには必要です。

勉強ができなくて、授業中も他のことをしてしまったり、学校に行かなかったり授業をサボっているなどの行動が見られる場合には、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)、高機能広汎性発達障害がある場合もあります。

学業不振などの症状がそれらに伴うものかどうか見極めが必要となります。家庭と学校そして医療関係者の連携が重要となります。

このようなことに心当たりがあるようであれば、小児神経科医師など、小児の病態に詳しい医療機関を受診してみましょう。

 

まとめ

  • 読み書きに困難を生じている子どもは4人に1人の割合でいる
  • 学習障害は「甘え」ではなく、その子の個性である
  • 書くのがダメなら、音声を使うことで解決できることも
  • 勉強が進まないなら、医療機関を受診しよう

読み書きに困難を生じている割合は4人に1人と、意外と多い割合で困っている子どもがいる事がわかりました。

勉強は頑張っているのに、成績がなかなか上がらないと子どもは感じているのに、それを「甘え」で片つけるのは少し違います。本人は親や先生が思っている以上に頑張っている場合があるのです。

それを解決する方法としては、五感の中で違う感覚を使って勉強してみる事です。知的には保たれている子が多いため、音声を使って文章を理解する事によって、勉強を進みやすくする事もできます。

子どもには「個性」があり、勉強方法も子どもそれぞれのやり方があります。なかなか子どもにあった勉強方法が見つからずに悩んでいるなら、一度医療機関に相談してみることをおすすめします。

 

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